
二代目
長原 幸夫


万年筆のこと、修理や調整の技術については、初代であり私の父である長原宣義に98年頃から教えてもらっていました。
独立前は私自身、セーラー万年筆に所属していて、セーラー万年筆の職人として国内のペンクリニックをしていました。北海道、東京、新潟、仙台、名古屋、岐阜、京都、大阪、神戸、岡山、そして広島。全国各地で。
日常の仕事としては、父である長原宣義らの開発したセーラー万年筆独自の研ぎである「長刀研ぎ」を施す仕事や、特殊ペン先に調整する仕事などを毎日のように。
2020年2月でセーラー万年筆を退職して独立するのですが、皆さんご存知のように2020年3月から新型コロナウイルスの流行で世の中が大変な中、独立するという形になりました。
そんな中でも浜松ブングボックスさんのお店で、有料でペンクリニックをやらせていただいて、これが個人事業主としてやっていくための下準備になりましたね。ノウハウを構築していくことができました。
お客様の”口角を上げること”に
全力を尽くしたい。
喜んでもらえる、
驚いてもらえるような、
仕事をし続けたいです。
当社の社訓でもあるのですが「最大限の満足が提供できるように努力する」ことを日々心がけています。
そして、先代 長原宣義から続いていることですが、「この”ロマンがある仕事”を誇りを持って続けていきたい」ということ。
こんな仕事をしていると、万年筆1本1本、すべてにストーリーがあるんです。
例えば、お父さん、お母さんや、おじいちゃん、おばあちゃんが使っていた万年筆を、時が経ってお子さんが使いたくて調整しに来てくれたとか。
昔、うちの先代に調整してもらった万年筆を持って、今度は息子である私に依頼しに来てくれたりだとか。
そんなストーリーが必ずと言っていいほど背景にあるんです。
この仕事は、本当にロマンのある仕事だな、良い仕事をさせてもらっているな、とつくづく思いながら毎日仕事させていただいています。
そんな大切な思い出の詰まった万年筆を触らせていただくことに、感謝と、そしてまずは自分が楽しみながら。
そしてもちろんお客さまの笑顔に繋げられるように。
日々精進しております。
思い出に残っている仕事
この仕事をしていると思い出に残る仕事がいっぱいありすぎて選べないんです。笑
あるペンクリニックで、「息子に貸した万年筆を直して欲しい」という方がいらっしゃいました。
お話を聞かせていただいたところ、その息子さんは東日本大震災で被災されて、残念ながら行方不明になってしまったのだそうです。
ただ、震災の前にその息子さんに親御さんが万年筆を貸したそうで、その万年筆だけがぐちゃぐちゃになった家の中で唯一形があるまま残っていたのだと。
メーカーにも問い合わせて修理をお願いしたのだそうですが、その万年筆のパーツがもう無いので修理ができない・・・と言われてしまったらしく、そこで私のペンクリニックを見つけて持ってきてくださったとのことでした。
修理が完了して、本当に喜んでいただいて、私もなんとも言えない気持ちになりました。本当に良かった。
長原幸夫 プロフィール
血液型
O型
趣味
万年筆を直すことです。
好きなお酒
最近は焼酎を。
日本酒は飲みすぎてしまうので我慢しています。
好きな食べもの
お肉、お魚かな。
おはぎが好きです!ケーキよりもあんこが好きなんです。
将来の目標
肝臓の数値維持!体重も増やしたくないなあ。
その次に三代目の技術向上、技術の継承ですね。


三代目
長原 卓磨


長原家長男として生まれるものの、これまであまり万年筆に触れ合う機会もなく、2021年までは地元呉市の企業にて勤務していました。
前職の退職を機に、2022年1月よりThe nib Shaperに所属。
父である二代目 長原幸夫のもとで修行を積みながら、技術を磨いてきました。
2024年には、一度父の元を離れ、万年筆と、万年筆だけでなくガラスペンや様々な文房具を愛するお客さまと触れ合いながら、文房具業界や万年筆のことをさらに深く学ぶために、兵庫県神戸市の老舗文房具店として、文房具マニアの方々にとっては全国でも有名な「株式会社ナガサワ文具センター」の高級筆記具専門店「Pen Style DEN」に専門スタッフとして所属し、修行をさせていただきました。
このときの経験は、職人としての今の仕事にも、とても生かされています。
調整が終わって
出来上がった万年筆を渡したとき、
お客さんが笑顔になる瞬間が
本当に嬉しいです。
調整が終わって、万年筆をお渡しして、実際にお客さんに書いてみてもらって。
そのときにお客さんの顔がパッと明るく、笑顔になった瞬間が本当に嬉しくて、かけがえのない瞬間です。
この笑顔を見続けられるように。
「慢心しないこと」
「さらなる高みを目指して日々努力すること」を心に刻んでいます。
昔、自分が調整した万年筆にその後また出会えたりするのも、この仕事の醍醐味ですね。
思い出に残っている仕事
ペンクリニックでのお客さまとの思い出もあるんですが、また別の角度で面白かった仕事があって。
僕のおじいちゃん 先代 長原宣義が残した謎の「シェイパー」という万年筆が、全部バラバラになっていて、コンテナ2つ分いっぱいに入っていたんです。
「これを全部使えるようにしろ」という父からの依頼・ミッションでした。
バラバラのものから一つのものに仕上げて。
もちろんちゃんと書けるように調整して。
これが全部終わるのに半年近くかかりましたね。
でもこれが面白いことに、全部磨いたあとで最初のほうに調整した万年筆をもう一度見てみたら、最後のほうに調整したものと比べると全然仕上がりが違うんです。
この作業でものすごい膨大な知識が頭に入りましたし、技術も磨けました。すごい修行でした。
長原卓磨 プロフィール
血液型
A型
趣味
サバゲー
好きなお酒
日本酒が好きですが、
プリン体が怖いので今はハイボールばかり飲んでます。
好きな食べもの
餅が好きなんです〜。
おだんごだったりも好きです。
タコとかイカとか魚介系も!
将来の目標
ダーツを始めたいです! あとは体重を落としたい・・・
